安全教育のヒント [安全教育]
昨日、今日と安全教育を2社、異なるケースで行いました。
その際に感じたことと、その後企業の教育スタッフとの会話の中で
安全教育のヒントが見えてきたので、書き留めておきます。
もし、参考にしていただける方があれば、幸いです。
私の安全教育に関する思いは、こちらをご覧ください。
A社 オートメーションでプラスチック製品の加工を行っている工場
人の作業は機械のオペレーター、最良の供給、型換え、製品検査
材料の搬入と投入、製品の梱包出荷
安全教育の対象・・・昨年入社した1年目の新人
B社 同じく、オートメーションで紙製品の加工を行っている工場
人の作業は、ほぼA社と同じ
安全教育の対象・・・職長と作業員、
作業員の中には中途で採用された経験の浅い者もいる
A社では、入社時や職場で「ヒヤリハット(ケガをする一歩手前の事故のこと)」
「KY(危険を事前に予知すること)」等の教育を行っているとのことでしたので
復習を兼ねて、受講者に職場でどのように安全教育を受けてきたのか尋ねました。
ところが反応がありません。みな、ぽか~んとしています。
納期や品質に対しての考え方や注意点、マナーやルールについては、きちんと
理解していたので、その状況を私は理解するのじ時間がかかりました。
気を取り直して、「安全とは」というところから始めました。
その後、「ヒヤリハットとは」「KYとは」と進み、
KY事例をサンプルの図を見せて言わせたところ、きちんと言うことができました。
ますます、分からなくなってしまいました。
危険予知はできるのに、安全については知らない???
この答えのヒントは、そのあと教育スタッフの方からのメールで得ることができました。
それは、B社の後で。
B社 職場ごとにグループを作ってもらい、自分たちの職場で集めてきた「ヒヤリハット」を
どのように対策して、危険を減らしていくか、という勉強会の進行役を行いました。
グループの中には職長さんを含め、ベテランの方、若手の方、中途の方等で構成されています。
勉強会の記録を残して、これから職場の安全活動につなげていくために、
文章で残しておこうということで、結構文章の書き方でみなさん四苦八苦していました(^^ゞ
参加しているメンバーや、自分の職場のことなので、
「あそこのあれ、あぶないよな~」「そうそう、こっちから回ると散らかっていますよね」
と言葉や説明が不要なのですね、一緒に働いているし、
なにより、現場の人は会話や言葉で仕事をしているわけではなく、技能や技術で
自分の存在を表していますから、文章とかは、みなさん苦手ですね。
さて、B社は労災事故はここ数年増えてきて、なんとかして件数を減らそうという目的で
勉強会を始めました。
ところが勉強会の当日にも労災事故があり、教育スタッフも、ほとほと頭を抱えていました。
勉強会の後、スタッフの方といろいろ現状の聞き取りを行ったところ
労災事故に遭うのは、新人や中途で採用した経験の浅い人が多いとのことでした。
安全は、どんなに気をつけていても、はっとした瞬間に発生しています。
しかし、機械や設備で対策を取ろうと思うと生産性に影響して、非現実的な対策になってしまう。
管理職や職場のリーダーが常に目を光らせて、監視しているわけにもいかないし
何といっても、そのような職場は息がつまってしまう。
では、どうするか。
お互い働いている者同士が、声を掛け合う。
なんだ、そんなことか。と思わないでください、ここからが肝心。
1) 働きがいのある職場を作るためには、管理職や監督者の指示や指導を極力減らし
自主性を高める職場にしたい。
2) 更に安全を保つには、働いている者同士が声を掛け合える雰囲気を作る
3) 特に安全に関しては、ベテランや先輩は経験の浅い人や新人のやっていることに
注意を払い、危ないことが起こりそうな時に声を掛けるようにする。
※ 自由な職場を保つために
4) その時に、「こうしろよっ!」とか「こっちから取ることになっているだろうっ!」という声の掛け方でなく
「安全のために、こうしらないといけないぞ、自分のためだ」とか
「こっちから手を伸ばしてとらないといけないぞ、昔、この作業で手を5針縫ったやつがいるから」
のように、安全のために、今注意していることを認識させることが大事だと思います。
※ 注意されている側は、「なぜ言われているのか、単に決めごとだから言われているのか」
「それをやらないとどうなってしまうのか分からない」のです。何せ経験が少ないですから。
注意するベテランは、危険がことが当たり前のことだから省略してしまうのですね
自分にとっては当たり前のことだから、ケガしたくないから。
5) 時には勉強会等で、ベテランから新人に「ここが危ない、なぜならこういうことが起こる可能性がある」
ということを教えてあげる時間を設けるのもいいですね。
勉強会でのベテランさんの仕事は、頭を悩ませて難しい文章を紙に書くのが役割ではなく
その貴重な経験を後輩に伝えるのが役割でした。
すみません、今日の勉強会の進め方、私は反省しています。
いかがでしょうか、私の思いが伝わるかどうか、少し不安です。
この話し、ご不明な点があれば、ご質問ください。
お答えすることで、もっと分かりやすい説明ができると思います。
私が安全教育を行っているのは、ケガで不幸な思いをする人をなくしたいから、です。
今日の歩数 4,795歩
コメント 0