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世界遺産 三保の松原大逆転登録 裏話 [思ったこと]

昨日は、静岡県社会保険労務士会の
特別研修で、

あの、富士山文化世界遺産登録において
三保の松原を逆転登録させた
前文化庁長官の近藤誠一様の話を聞いた。

私は生まれたのが三保で、
三保の松原は子供のころの遊び場だった。

羽衣の松は、走っていける距離にあった。

今は富士山の麓に住んでいるので
縁が深いなあ、と思うのだが
いずれにしても、大変興味をもってのぞんだ。


大逆転の裏側を語っていただけるので
随分、駆け引きとか、根回しがあったのではと
勝手に想像していたのだが
結論は、全く逆だったので驚いた。

二つのことを、文化庁の人とか全員が
統一した考えを持っていたそうだ。

それが。

1)絶対にルールをおかしたり、禍根を残す
  ようなことはしない。
  
  三保の松原の登録がダメだったら受け入れる

2)最後まであきらめない

だそうだ。

二つのことって相反しているようだが
どちらも守れることかもしれない。

1)のルールをおかさない、というのは
日本のように力のある国が、その力に頼って
ごり押ししては、秩序が乱れてしまう。

禍根を残さないようにするためには、とは
これから他の日本の世界遺産登録の際に
影響があるから、とのことだった。

深謀遠慮、という言葉がピッタリかも。


2)の最後まであきらめない、とは
正攻法で、なぜ、三保の松原が富士山に
含まれるのかを、解きまくったそうだ。

何人か、強硬に反対している委員がいたのだが
最も強硬に反対している人から
説き伏せていったそうだ。

そのパワーはすごいものだ。


いろいろためになる話があったのだが
最も印象に残った逸話を書き留めておく。

逆転登録だったので、当初登録に反対している
人たちがいた。

その人たちは、「イコモス」という事前審査をする
団体だ。

結果的に、「イコモス」の意見を覆すことになったのだが
その人たちとは、今後も他の世界遺産登録で
顔を合わせることになる。

なので、世界遺産登録の発表があったら
すぐに「イコモス」の方たちとランチを
一緒に食べる機会をセッティングしたそうだ。

本当なら顔を合わせたくない人たちだが
そうだからこそ、すぐに、コミュニケーションを
とったのだそうだ。

素晴らしいですね。

お話いただいた近藤誠一さんは、外務省に長く所属していて
各国の大使を務められていた経験から
外国人との接触の仕方を、よく知っている方だ。

言葉が通じないし文化や宗教も異なる人たちだからこそ
人として誠意をもって接することが大事だと
おっしゃっていた。

確かにそうですよね。
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