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職長さん あなたの力を貸してください! その4 最終回 [研修募集中!!]

先日、ご案内した 海外派遣者向けの準備セミナーについて、
なぜ、このセミナーを企画したのかを、本音でつづります。
長文となりますが、お付き合いいただければ幸いです。

このページは その4 最終回です。 その1とその2からお読みいただくことをお勧めします。

 その1はこちら 日本の製造業に携わる労働者に対する現状です

 その2はこちら 日本の製造現場に携わった方に、海外の工場で活躍してほしい
           理由を書きました。 

  その3はこちら 必要なスキルは、英語力なのでしょうか?それとも。を書きました。

 ※ 申し訳ありません。その3の一度データが消えてしまいました。復活させましたが、アップの順番が変わってしまいました。
   

きょうは、その4 最終回として、必要なスキルと、それが皆さんに
そのようなメリットがあるのかを、お伝えします。

 ↓日本の産業及び文化圏とは線の中のこと
japan1.jpg
私が考える日本の産業および文化圏

まず、自分の思いを伝えることですが、その姿勢として
日本人と、あなたたちとは異なる、という差別意識というか
身分の違いを乗り越える必要があります。

それも、こちらから垣根を乗り越える努力が必要です。

なぜ

彼ら(現地の労働者)からみると、日本人は雇用者であり
日本人の役職など関係なく、逆らったりしたら解雇されてしまう
絶対的な権限の持ち主、という見方をします。

特に、長い国の歴史の中で植民地となった国の人は、その意識が強いです。
ここが日本人が理解できないところなのですが、相手の立場に立つとそうなのです。

彼らの祖父祖母あたりが植民地時代に、支配した人たちに逆らって
殺された、という経験があるので、どうしても、畏怖の念を持ってしまうのです。

理解してあげましょう。

日本人は暑さに弱いので、通常日本人が控える冷房の効いた部屋で
仕事をしています。

でも、それは彼らからすると、VIPルームなのです。
日本人は特別だから、特別の部屋から出て来ない、と感じるのです。

私は、海外の工場で仕事をしている時に、現地の人の前では
暑そうなふりはしませんでした。
そして、「よし、みなもつかれただろうから、休憩しよう」といって
冷房の効いた部屋で、ぶったおれていました。
がんがん、冷たい水を飲んで、体を冷やして、休憩が終わる前に
彼らより先に元の場所に戻って、何事もなかったような顔をしていました。


次に、自分の思いを通じさせるためのスキルですが
これに最も役立ったのが、私が日本でもよく講師をさせてもらっている
TWI-JI(仕事の教え方)でした。

TWI-JIのスキルは、自分の仕事を教えるときには
言葉ではなく、やってみせる方法を、いかに効果的に行うか
というスキルです。
 
話しは簡単。どうせ言葉が通じないんだから、やってみせればいいのです。

私が現地の人に、私の仕事を教えました。

1ケ月後、再訪問して、その教えた人に覚えているかどうか試しました。
内心どきどきしていたのですが、顔では笑って、「大丈夫、君ならできるよ」という表情をしました。

彼は最初まごついていましたが、一つ思いだしたら、そのあとすらすらできました。

私は、自分の経験で、この教え方のスキルを持っていれば
本当に、言葉は最低限あれば仕事は伝わるものだと分かりました。


次に役立ったのが、TWI-JR(人との接し方・人の扱い方)です。

このスキルは、いかに相手の立場に立って、その人のことを理解してあげるか
ということがベースになっています。


どこかの回で書いたのですが、その記事が見つからないので
改めて、私の体験談を書きますが、
私が、海外の工場へいって受け持った最初の現地の人たちの研修

そのころは、全く英語が分からず、私も非常に緊張していたので
自分の言っていることも、それがどのように通訳されているのかも
分からない状態で研修を進めていました。

もちろん、そのような経験は初めてです。

あるとき、私が何かを伝えようとすると、彼が一斉に苦情を言い始めるのです。
わけが分からなくて、なんとか日本人の通訳の人に抑えてもらうのですが
また、何かのきっかけで、紛糾します。

その状態が丸一日続いて、さすがに私も精神的にまいってしまい
ホテルでも眠れなくなってしまいました。

次の日、目がくぼんでいる状態で、研修を進めました。
こちらも臨戦態勢に入っています。
やはり、同じような個所で、いっせいに口ぐちに、文句を言い始めます。

ついに、きれて日本語で口汚くののしってしまいました!

午前中を終えて、日本人が集まる食堂にいくと、工場の責任者に
座った目で言いました。

「午後の研修は、機関銃を持っていきます。
もし、あいつらがまた、ブーブー言ったら、機関銃をぶっ放します。」と

今は笑い話として話しができますが、その時には、真剣でした。
そのくらい精神的に追い込まれました。

そのあと早めに、1人で研修会場に行きました。

なぜ、なぜ、なぜ。

自分に問いただしました。

ホワイトボードに何を書いたのか、研修開始からすべて思い出してみました。
何を話したのか。どこを強調したのか。

私が言った言葉で、彼らはどのように受け取ったのか。
できるだけ細かく思い出しました。

そこでひらめいたのです。

私が言った禁則事項。これが彼らを縛っていたのです。
禁則事項は、彼らにとっては、日本人が感じるよりも、圧倒的に
雇用を不安にするものなのです。

ルールを破った、即解雇。という恐怖の中で仕事をしているからです。

午後の研修が開始され、その禁則事項の誤解を解きました。

そうしたら、一時に彼らの顔が幸せそうな笑顔に変わりました。

「そうか、私のたった一言が、こんなにも彼らをしばっていたのか」と
身にしみて分かりました。

人の立場に立って考えることの大切さを、あれほど思いしらされたことがありません。
講師という立場で伝えてはいましたが、自分が本当の価値を知ることができました。

TWI-JRは、言葉も違う、立場も違う、生活も教育も宗教も違う人達と
接するために、最も必要なスキルだと思っています。


最後に。

みなさんが今までの経験で身につけてきた仕事のスキルは
みなさんでした伝えられない、素晴らしいものです。
かけがえのないものだと信じています。

そのスキルを、ぜひ人に伝えてほしい。

それを必要としているところに。

必要としているところは、どこにあるのか。

必要としているのは、誰なのか。


人に伝えることなく、埋もれさせないでいただきたい。

必要としている多くの人に伝えることによって、
昔の日本が行ってきたように、安くいい物が世界中に行きわたることができたら
素晴らしいことではないでしょうか。

私も、それに携わってきた 一人として

職長さん! あなたの力を貸して下さい!



毎回の長文をお読みいただき、ありがとうございます。

私の体験談で話しを進めていますので、異なる環境、異なる言語
異なる歴史を持った国など、様々にあるでしょう。

すべての方に適切なアドバイスが出来ているかは疑問です。

このブログを読んでいただき、なるほど、と思っていただける方が
一人でもいらっしゃり、一歩進んでみようかと思ってもらえたら幸いです。


1.海外派遣者の心得と知識

 ★ 日時 : 6月20日(水) 9時30分~16時30分

 ★ 場所 : 清水テクノカレッジ  地図は こちら
      静岡市清水区楠160

 ★ 主催 : 静岡県職業能力開発協会 問い合わせ先は こちら

 ★ 受講料 : 会員 9,000円   非会員 10,800円

 ★ 内容  1.外国人と日本人との違い

        2.海外のワーカーについて

        3.これだけは知っておこう
           5SとKAIZEN

        4.生活の注意点

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申込書は こちら→ 申込書.pdf

詳細は こちら をご覧ください


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